いなずまブログ
11月の特徴
11月は晩秋から初冬への季節の変わり目です。
日本付近を高気圧と低気圧が交互に通過し、
寒暖を繰り返しながら晩秋から初冬へと向かいます。
暦の上では7日が「立冬」で、
関東や近畿では「木枯らし」の吹く時期にあたります。
「木枯らし1号」は、
①西高東低の冬型気圧配置
②西北西~北の風
③最大風速8m/s以上の風
の3条件がそろった時に発表されます。
この時期は真冬と違って冬型の気圧配置は長続きせず、
すぐに大陸の高気圧が移動性となって日本付近を覆ってきます。
移動性高気圧に覆われると、
朝は冷え込みますが日中は暖かく穏やかな「小春日和」となります。
しかし、時には低気圧が東海上で非常に発達して真冬並みの寒気が南下し、
強い冬型の気圧配置となって大荒れの天気となることもありますので注意が必要です。
<気象予報部より>
2018年10月の天候
上旬は、台風24号、25号が相次いで上陸した影響で
北日本及び西日本では大雨及び記録的な暴風となりました。
中旬は、高気圧に覆われやすかった北日本では晴れる日が多くなりました。
一方、東、西日本の太平洋側では
南海上に停滞していた秋雨前線の影響を受けて曇りや雨の日が多くなりましたが、
雨量は少ない傾向が続きました。
下旬は全国的に高気圧に覆われて晴れる日が多くなりました。
気温は、上旬と下旬に暖かい空気が流れ込んだ北日本では
平年に比べかなり高くなりましたが、
沖縄・奄美では北からの冷たい空気が流れ込みやすかった影響で
10月の平均気温よりもかなり低く(平年差-1.1℃)なりました。
※右図は気象庁HPより
<気象予報部より>
10月の特徴
秋の空が「天高く」といわれるのは、
湿気を多く含んだ夏の高気圧にかわって
大陸育ちの高気圧が乾燥した空気を運んでくることにより、
澄んだ青空となり空が高く感じられるからです。
10月は、上旬は秋雨前線が日本の南岸に停滞して
東日本の太平洋側を中心にぐずつきますが、
中旬頃からは大陸から進んでくる移動性高気圧に覆われるようになります。
帯状の高気圧に覆われると秋晴れが数日続くこともあります。
下旬は一時的に冬型の気圧配置が現れ、
日本海側では時雨(しぐれ)るようになります。
また、最盛期を過ぎたとはいえ台風が襲来することもあり、
この時期の台風は日本付近で移動速度が速くなる特徴があるため
大雨や強風に対する早めの対策が必要です。
<気象予報部より>
2018年9月の天候
東・西日本では、月を通して秋雨前線が停滞することが多かったため、
曇りや雨の日が多くなりました。
気温は、北日本では暖かい空気に覆われる日が多くなりましたが、
東・西日本では平年並みとなりました。
一方沖縄・奄美では高気圧に覆われる日が多く、
南からの暖かい空気が流れ込んだことによりかなり高くなりました。
降水量は、東・西日本では太平洋高気圧の縁辺から前線に向かって
暖かく湿った空気が流れ込みやすかったほか、
上旬の台風21号と下旬の台風24号の影響を受けたため、
かなり多くなりました。
特に、富山や鳥取では月の降水量を更新した地域がありました。
なお、北日本では中旬に移動性高気圧に覆われて
晴れの日が続いたため、月降水量はかなり少なくなりました。
※右図は気象庁HPより
<気象予報部より>
9月の特徴
秋の気配は、虫の声や秋の花だけでなく雲からも感じられます。
特に、晴れた空に箒で掃いたような筋状の雲や羊の群れのような雲は、
代表的な秋の雲といえます。
9月は、中旬頃から太平洋高気圧の勢力が弱まり、
代わって大陸から移動性高気圧が日本付近を通過するようなります。
しかし、移動性高気圧の中心が北に偏ると日本の南岸には秋雨前線が停滞し
太平洋側を中心にぐずついた天気が続くようになります。
また、台風の発生数や接近・上陸数は8月に次いで多く、
特に大型台風(伊勢湾台風や平成3年の台風19号(別名:リンゴ台風など)の
上陸によって過去に大きな被害が発生しています。
秋の台風は、秋雨前線を刺激して
大雨による災害等をもたらすので厳重な警戒が必要です。
<気象予報部より>
2018年8月の天候
8月は、上・下旬に晴れて気温が上昇した日が多かったため、
月平均気温がかなり高くなりました。
特に、月の前半は東海地方で猛暑日が連続15日を記録したり、
下旬は新潟県中条で40.8℃の最高気温を記録し
北陸地方で統計史上初めて40℃以上となりました。
降水量は、西日本の日本海側では高気圧に覆われて晴れる日が多く、
湿った気流の影響を受けることが少なかったことにとより、
月の降水量がかなり少なくなりました。
一方、北・東日本の日本海側では、
月の後半にかけて秋雨前線が停滞するとともに
前線活動が活発になったことにより、
月の降水量がかなり多くなりました。
また、沖縄・奄美では中旬に台風の影響で大雨となったことで
月の降水量はかなり多くなりました。
※右図は気象庁HPより
<気象予報部より>
8月の特徴
8月は、太平洋高気圧が日本付近を広く覆い安定した晴天が続くようになり、
一年で最も気温の高い時期となりますが、
今年は例年に比べ太平洋高気圧やチベット高気圧の勢力が強い影響で、
7月から連日猛暑が続いております。
一般的に太平洋高気圧の盛衰は約1週間~10日程度で、
高気圧の勢力が弱まると低気圧が通過したり、
大気の状態が不安定になったりする傾向があります。
また8月は7月と並んで雷の発生数が最も多い月です。
特に、上空に冷たい空気が流れ込んでいるときや、
日本付近が太平洋高気圧の縁にあたり、
南から湿った暖かい空気が流れ込みやすいときには、
広い範囲で積乱雲が発生・発達しやすく、
局地的な大雨や落雷、突風、雹が発生することがありますので十分注意して下さい。
<気象予報部より>
2018年7月の天候
太平洋高気圧の勢力が日本付近で強かったため、
北・東・西日本では月の平均気温がかなり高く、
特に東日本の月の平均気温としては1945年統計開始以来最も高くなりました。
降水量は、梅雨前線や台風7号の影響を受けた西日本を中心に記録的な大雨となり、
土砂災害や河川の氾濫など甚大な被害が生じました(平成30年7月豪雨)。
中でも、西日本の太平洋側及び沖縄・奄美では
月の平均降水量の2倍~3倍とかなり多くなりました。
日照時間は、東日本と西日本の日本海側では
太平洋高気圧に覆われて晴れる日が多かったため、
月間日照時間はかなり多くなりました。
特に、北陸地方は月間日照時間が平年比の179%と
7月としては記録的な多照となりました。
※右図は気象庁HPより
<気象予報部より>
観天望気
「観天望気」という言葉、聞いたことありますか?
「かんてんぼうき」と読みます。
空や雲を見たり、風など空気を肌で感じて今後の天気を予想することを言います。
有名な所では、「夕焼けの次の日は晴れ」
「太陽や月に暈がかかると雨」などがあります。
これは、大体天気は西から東に進むため、
西の空を見れば次の日のおおよその天気が分かるということです。
(もちろん、先日の台風12号のように東から西に進む場合もあるので、
すべてというわけではありませんが…)
現在、天気予報はコンピュータで予測しています。
しかし、雷雨などのコンピュータでは予測の難しいスケールの小さい現象や
短時間の予報、天気の急変を察知するにはまだまだ重要な要素になっています。
と、いうわけで予報を担当する私たちも日々、天気図とともに実際の空を見ています。
(※サボりではありません。…たぶん…)
弊社の屋上から見える空。
夏季、午前中から発達した雲が見られると午後関東北部での雷雨となる可能性が高い
とは、先輩M氏からの教え。
7月20日14時30分頃、北西の空には夏らしい発達した積乱雲がありました。
この時、弊社の北西方向にあたる奥多摩方面で雷雨となっていました。(落雷を×で表示しています)
雷雨をもたらす積乱雲は時間・空間ともにスケールが小さい局地的な現象です。
晴れていても突然の雷雨に襲われることも多いため、雷雨の前兆を知ることはとても重要です。
一般的に、雷雲が接近しているサインは以下の通りです。
■積乱雲が大きくなる
■黒い雲が近づき、周囲が暗くなる・冷たい風が吹く
また、首都圏の方は、弊社Twitterを見て頂ければ雷雲がどこにあるか確認できます
観天望気、弊社Twitterなどを活用し、雷にそなえて楽しい夏をお過ごしください
<気象予報部 es>
酷暑と雷
…あえて書くまでもないことですが…連日厳しい暑さが続いておりますね。。。
暑さには比較的強いのですが、今年はさすがにバテそうです…
太平洋高気圧の勢力が強く(強すぎ)
全国各地で真夏日どころか35℃を越える猛暑日が続いています
7月18日には岐阜県多治見で最高気温40.7℃、美濃で40.6℃を記録しました。
(右図は7月18日14:30頃の岐阜県付近の気温です。
40℃まではいかないまでも周辺でもかなり気温が高くなっています)
これは、平成25年以来、5年ぶりだそうです。(!)
この暑さ、まだまだ弱まる気配はなくこの先1週間以上続く見込みです。
熱中症による被害がこれ以上拡大しないことを祈ります。
(特に西日本の被災地が心配です…)
さて、こう日中の気温が高くなると心配になるのが雷です。
この数日の雷の状況を見てみますと…
上空の寒気がそれほど強くないため広い範囲での落雷はありませんが、関東~中国地方の山間部で雷が発生しています。
(↓7月16~18日の全国の雷の状況。点がそれぞれの落雷。時間ごとに色分け表示しています。)
(※過去の雷の状況は弊社HPとTwitterで公開しています。リンクはこちら→ HP / Twitter)
ここ数日のように強い日射により地面が熱せられ、上昇気流により雲が発達して起こる雷を「熱雷」といい、
山間部で多く発生します。
レジャーシーズンでもある夏。
山などに行かれる方は、熱中症とともに天気の急変にもご注意ください。
<気象予報部 es>